ここでは温泉に関する歴史資料をご紹介するページです。
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大分県 八幡地獄
(はちまんじごく)



大分県別府市には8つの「地獄めぐり」という
噴泉地を見学する有名観光地があるが、
戦前頃には現在の8つ以外にも
たくさんの地獄と呼ばれる噴泉地があったそうだ。

大分県 八幡地獄【温泉奉行所】

その中のひとつ、
今では現存しない「八幡地獄」と呼ばれる
噴泉地が古い絵葉書から知ることができる。

湧き上がる湯気の中に古めかしいかやぶき屋根の建物。
どこか懐かしい日本の原風景がこの絵葉書には感じられます。

大分県 八幡地獄【温泉奉行所】

地獄といえば鬼ということで、
特別に製作されたのであろう「鬼の骨」が地獄の端に立てられている。

この絵葉書では大きさはわからないが、
古い資料を紐解くと…、
その高さは一丈二尺約3.6mというから驚きである。

大分県 八幡地獄【温泉奉行所】
(2010.1.3入手)

さらにこちらの地獄では噴泉地以外にも
『怪物館』という施設があって、
人魚や河童、牛人間といった珍獣の剥製を展示していたらしい。

怪物館は昭和30年代に閉館し展示されていたミイラは
焼却されたりして廃棄処分されたそうです。
もったいない。

味わい深いそんな八幡地獄は湧出量の減少で閉鎖され、
今では跡形もなく消え去り
八幡公園として現在に至っているそうだ。

詳しくご存知の方は私までメールでお知らせください。
とても興味があります。




2013.4.16追記

古い温泉絵葉書を眺めていると
今現在、この古い温泉地はどうなっているのか?

行ってみたい、今の姿を眺めてみたい、
できたらのんびり温泉に浸かって当時に思いを馳せてみたい。
と思うのは温泉サムライだけではないはず。

多忙な温泉サムライはそんな思いを果たせず
インターネットで『温泉サーフィン』を楽しんでいたとき、
当奉行所に画像つきのメールをいただきました。

こ、これは…。
別府市にある今はなき八幡地獄と鶴見地獄の現在の画像ではないですか。
T氏からご提供いただいた画像をここに紹介させていただきます。

大分県 八幡地獄【温泉奉行所】
(2013年 T氏撮影・提供)

現在は八幡公園として開放された昔の八幡地獄は
当時の絵葉書からはかけ離れ
ブランコやカラフルな滑り台が設置され、
子供たちの『天国』へと姿を変えた現在の八幡地獄である。

画像をよく見ると、
画像中央部に一条の白煙が遠くに確認できる。

大分県 八幡地獄【温泉奉行所】
(2013年 T氏撮影・提供)

今でも湧き出る温泉やその熱源を何かに利用されているのだろうか。
跡地の岩石は温泉の熱で風化が進んでいるのか黒く変色し
今にもその隙間から湯気が噴出しそうな勢いを感じ取れる。

大分県 八幡地獄【温泉奉行所】
(2013年 T氏撮影・提供)

この画像なんて、
背後に迫る山の斜面や地面の傾斜角なんぞ
一番上にある絵葉書の「藁葺き屋根の建物」があった場所に
よく似ているような気がしてなりません。

画像提供ありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

忘れ去られた往時の地獄の風景を
今に伝え残すことも当温泉奉行所の使命だと肝に銘じ
ここに印させていただきます。




2014年5月30日
追記

梅雨前の五月晴れの本日、
気温は30度を超える夏日を記録しましたが、
この八幡地獄のページを見て頂いたYさんから
背筋も凍る貴重なお話を教えていただきましたので皆様にもご披露します。

Yさんは10年前にお亡くなりになられた母(昭和3年生)から
この八幡地獄について意味深なお話を聞かされたという。
一緒に入浴した思い出と共に深く記憶に刻まれた話とは…。

以下、メールの原文に近い形でお伝えします。

祖母(Yさんの祖母)は八幡地獄で案内や
お土産屋さんで働いてたと聞いていた気がします。
母(Yさんの母)の幼い頃は、ここについて行っていたらしく、
幼いながら怪物館の案内を覚えて、お客さんに説明していたそうです。

「こちらは件(くだん)という怪物で、頭は人間体は牛、
生まれてすぐに予言をして死んだと伝えられています」とか、河童とか。

たしか、母の話だと、
間欠泉が吹き上がるのはお客さんが集まったら...と、
大人の事情も聞いた気がしますよ。

近くには勝手にわいている温泉があり、
家族で飼い犬と毎日そこに行き、
一番に犬が飛び込んでいたとか。

以上頂いたメールより。

時代的に昭和初期『怪物館』には恐らく件(くだん)という怪物の
ミイラ?の展示があったのでしょうか?
観てみたいですね、もっと話を聞きたいですね。
私もかなり前、買いそびれた古い絵葉書で見たような記憶が蘇る。

八幡地獄には犬も泳げる程よい温度の池があって
ほのぼのしていた当時の情景が頭に浮かんできます。
余興的な人口間欠泉?もあったんでしょうか。
こんなに怖い鬼の骨が展示された古絵葉書からは想像ができませんね。

Yさん、貴重な思い出話をお聞かせ頂きありがとうございました。
このページを訪れる方々と共有し楽しませていただくと共に、
昔あった地獄に思いを馳せ
記憶の端にある情景を彷彿とさせてくれることでしょう。



2021年12月4日
追記

コロナウイルスがまだまだ猛威を振るう2021年
新しい「オミクロン株」がメディアを賑わす今日この頃、
次の温泉調査地を検索中にT氏からメールを頂いた。

以前の「八幡地獄」、
現在は子供の天国「八幡公園」へと変貌を遂げたこの場所に
広場の一角から突然湯けむりが昇ったらしい。

大分県 八幡地獄【温泉奉行所】
(2021年 T氏提供)

2013年にご提供いただいた画像と見比べると、
象徴的な岩場の手前に一本の煙突が立てられ
そこからフワフワと綿菓子のような煙が確認できる。

田んぼで「もみ殻」を焼却するかの如く画のようですが、
ご提供いただいたT氏によりますと、
何かしらの影響で突然湯気が吹き出したという。

大分県 八幡地獄【温泉奉行所】
(2021年 T氏提供)

ここからは温泉サムライの考察です。
2013年の画像と2021年の画像を良く見比べると…、
地面に生える草の面積が少なくなっている。

これは地熱の影響が以前に比べ拡大し地面に草が生えづらくなり、
白い砂の地面が露わになっているものと思われます。
地殻変動などの影響で今後もっと湯気や温泉が湧き出すかもですね。

この辺りにタオルを敷けば簡易岩盤浴が楽しめるかも?
テント設営でサウナも楽しめたりできるのか?
公園だけに地熱による子供の火傷にも注意したいところ。

この地面の下には今も沸々と地獄の釜が
その釜の蓋をガタガタ鳴らし何かを知らしめたいのでしょうか?
やっぱり温泉県である大分県別府温泉はスゴイです。

本来ならば実際現地に行って調査すべきところですが、
ここはT氏に今後の行く末を託して、
遠く京都から思いを馳せてみました。

提供していただいた画像を見ていると、
なんだかホッコリ、身体もチョッピリ温まりました。
T様いつもご提供ありがとうございます。

現在の温泉データ

八幡公園
住所:大分県別府市南立石八幡町




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