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大分県 鉄輪温泉
鉄輪地獄



大分県別府市にある地獄めぐりはあまりにも有名な観光地で
真っ赤に染まる血の池地獄やコバルトブルーの海地獄は見ているだけで
私たち都会に住んでいる者のすさんだ心をも
ピュアな心に染め直してくれる。
そんな地獄ではなかろうか。

現存する地獄は景勝地として
今もたくさんの観光客で賑わいを見せているが、
過去に存在していた今は無き地獄、
名前さえも風化しようとしている地獄が
古い絵葉書を通して確認することできる。

その中のひとつ、
昭和12年まで鉄輪温泉街にあったという
『鉄輪地獄』(かんなわじごく)を紹介します。

大正時代、時の鉄輪郵便局長であった佐原秀太郎氏が
郵便局の隣の敷地に地獄を開拓し、
観光客向けにその地獄を開放されていたそうだ。



地獄の中心には定番である不動明王が祀られ、
鉄輪の湯けむりから現れるお不動様は
はじめて見る者にとって、
まさに地獄の入り口ような光景に映ったに違いない。

湯けむりのみならず敷地内には間欠泉や
ラジウム蒸気吸入、トルコ式蒸気風呂、
乾式温浴場などもあったそうで
当時としては画期的な温泉療養所であったのだろう。

そんな充実した鉄輪地獄温泉療養所は
お客さんの減少によるものか定かではないが、
昭和12年に地獄をやめて入湯貸間「地獄原荘」に切り替えたそうだ。

その「地獄原荘」は屋号を変更し、
現在は「陽光荘」として今もその経営を続けておられます。
経営者はなんとその郵便局長の娘さん佐原志津子氏。

残念ながら鉄輪地獄は消滅したが、
今なお先代の入湯貸間を守り続けているという。
守るものを持たない私にとって、
なんとも心温まる話ではないでしょうか。

心も温まるこちら鉄輪温泉は、
往時から変わらず湧き出る湯をもって体も優しく暖めてくれる。
そんな温泉地、私は大好きです。

参考にしたサイト:陽光荘のHP
取材ご協力者:つるや旅館の女将さん


ありがとうございました。

現在の温泉データ
陽光荘
住所:大分県別府市鉄輪井田3組
電話:0977-66-0440
泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
泉温:99℃

HP:http://www.coara.or.jp/~hideharu/



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