京都府 中心山荘【温泉奉行所】
(ちゅうしんさんそう)

★★★★★

2002年閉館

温泉奉行所京都府の温泉>中心山荘

私が温泉の魅力にドップリとハマった嚆矢(こうし)的入湯施設のひとつ、
京都府綴喜郡田辺町(現京田辺市)にあった『中心山荘』を
本日は回想録としてここに記したいと思います。

今から30年以上前の記憶を紐解いてゆくと…。
………、
…。


私がここ田辺町に転居となったのは1982年のこと。
両親と共に大阪市内からコチラ新興住宅地へと転居してきた。
丘陵森林地帯を開拓した住宅地はまだまだ緑豊かな田舎の町なのです。

中心山荘【温泉奉行所】

その丘陵地帯の山の上、
当時としては珍しかった一軒宿のリゾートホテル『中心山荘』が
独特の雰囲気を醸し出し聳え立っています。

ホテル前には円形の森を中心としたロータリーがあります。
周りには大きな駐車場があって車がたくさん駐車され
笑顔溢れるお客さんで賑わっています。

中心山荘【温泉奉行所】

山手にある別館『謝恩閣』は料亭的な施設か?
行ったことがないのでわかりませんが、
花崗岩系の石垣がとっても立派で印象的です。

中心山荘【温泉奉行所】

料亭内部には川が流れており
トイレの床はガラス張り?
その下には鯉が泳いでいたといいます(ネット情報で未確認)

駐車場から見渡せる京都盆地はほぼすべてが見渡せる。
京都タワーを中心に奥に北山、左右に西山、東山山地までもが一望できた。
夜には夜景がとてもきれいで今でも心に思い浮かびます。

四角いコンクリ造のホテルへ入場すると広いロビーがあって
フロントは宿泊者対応部と日帰り対応部に分かれていたのが記憶に残ります。
奥に細長いホテル建物ではありますが、あまり印象に残っていません。

左の窓からは田辺や城陽の眺望があったような…?
右にゲーム機やマッサージ機の部屋があったような…?
かなりあいまいでスイマセンm(_ _)m

古いパンフレットを見ると建物は放射状四方向へ展開しています。
今の知識で思い浮かぶのは北海道網走にある『網走監獄』
そこには五翼放射状平屋舎房があるのだが、そんな風貌です。

決して悪い意味で例に出したのではなく、
近代建築物において珍しい建て方なのかとも思われたので紹介しました。
有名な建築家の設計なのでしょうか?

一般大衆向けに建築され地元に愛されるホテル、
宿泊も食事もした覚えがないのでどのようなサービスが提供されていたのか?
今となっては知る由もありません。

お風呂へはそのホテルの中央部から屋根付き階段を下へ歩いて向かいます。
高さや幅が不ぞろいな白いコンクリート製の階段が結構な長さで続いています。
右には梅林、左に自然のままの森林が心地よかったことを思い出します。

中心山荘【温泉奉行所】

浴場は『ほのぼの温泉』と名付けられてはいましたが、
地中から湧く本物の温泉ではなかったと記憶しています。
建物はコンクリート打ちっぱなしの近代的で斬新なもの。

屋根に載っている黒いものはなんでしょうか?
太陽光パネルなんて当時はなかっただろうから
おそらく太陽光でお湯を沸かすシステムだろう。

中心山荘【温泉奉行所】

周りには池があって錦鯉がたくさん泳いで壮観である。
男女別の内湯はレンガ調の色合い(パンフ画像)ですが、
私の記憶では黒系大理石だったように思われる。

パンフレットに掲載されているお風呂の説明がなかなか良い。

『太陽光をいっぱい吸い込んだ素敵なお風呂、中には超音波浴槽、
いつでもお湯を満々とたたえたざんぶり洗い場、
そしてお湯にのぼせたら一休みできるゴロ寝のコーナー等、
とてもゆきとどいた”親切風呂”はきっとご満足いただけるでしょう。』

浴室の壁面に書かれている文字はどんな言葉なのでしょうか?
分かる方いらっしゃいますか?

脱衣場にあった脱衣用ロッカーは100円リターン式で
当時としては100円が返却される画期的な最新型ロッカーなんだと少し感動しました。
脱衣場からも外の池が見え、鯉が優雅に泳いでいたような気がする。

中心山荘【温泉奉行所】

ここにはお風呂以外に『酵素風呂』という施設が別棟にあった。
木を削ったオガクズを発酵させて60度ぐらい温度があったらしく
その熱いオガクズに埋めてもらうというもの。

300畳敷きの温室には、
ビッシリとオガクズが敷き詰められ、
一種独特の芳香が室内いっぱいに拡がっていたことを思い出します。

別府温泉や指宿温泉にあるような砂湯のイメージなのでしょうか?
私は未体験なので詳細は不明ですが、
今となってみると行っておけばよかったかなぁと思います。

さらにその奥、ジャングル風呂?のような施設があって
サルや鳥などを鑑賞しながらお風呂に入湯できたそうだ。
旧知を知る方々からの情報であるので未確認なのです。

他にも夏場に開放されていた楕円形のプールやテニスコート
岩盤の上から流れ落ちる『仙人の滝』が水しぶきをあげていたのですが、
この滝はFRP(強化プラスチック製)でありました。

開業は1971年〜とネットの情報にあるが、
国土地理院1970年の地図にはジャングル風呂の建物が確認できるので
その前後と思われます。

1985年頃?、古いホテルと浴場周辺は突然の閉館その後解体され、
ホテル跡地にはパナソニックの研修施設が、
浴場や梅林は宅地に造成されたのです。

梅林跡の宅地はそのまま長く放置され
しばらく(5年から10年間)空き地だった。
梅林の梅の木は近くの空き地に移植されていた。

浴場周辺の池で泳いでいた鯉はどこへいったの?
今になってお話ししますが、
山中の奥深く、誰も知らない小さな池でたくさん泳いでいたことは私だけの秘密。

鯉のえさを携え山奥の池で撒いて豪勢な気分を一人で味わっていたが、
ある日突如、鯉がいなくなったことはこのページ作成中に思い出した。
どんどん消滅してゆく旧中心山荘。

完全に閉鎖されたかに思われた中心山荘は、
そのさらに奥の山上に『緑のホテル中心山荘』として生まれ変わった。
京都の建築家、西村征一郎氏設計による白亜の殿堂、立派なホテルなのです。

とてもきれいなホテル、私なんぞの貧乏人は寄せ付けない的な雰囲気で、
何度か気楽に中へ入ったのですが、
昔のお気軽さはありません。

ホテルの裏手にはきれいなテニスコートと
年中泳げる室内プールが高級感あってとっても印象的です。
緑に囲まれた中でのテニスや温室内のプールはとても気持ちよさそうです。

宿泊者の多くは中学校の修学旅行生へとシフトしているようです。
たくさんの観光バスが来ていた事を思い浮かべます。
学生たちが宿泊中はとっても賑やかなホテル。

ホテル前には小さなロータリーがあって
真新しいアスファルト舗装が施されていた。
私はよくスクーターでこのロータリーを攻めていた。

ある日のこと、たくさんの修学旅行生が宿泊、窓から顔を覗かせる中、
私はロータリーをスクーターで攻めてみた。
なぜだかその日はアスファルト舗装にたくさんの砂が浮いていて大転倒した。

学生たちに大笑いされながら
そそくさとバイクを起こしてその場から立ち去ったのであります。
恥ずかしい思い出ですね。

ホテルの浴場で入浴したいが日帰りで利用できるかわからず、
何度か喫茶コーナーにてコーヒーを飲んで帰った思い出が忘れられない。
白系のコーヒーカップにソーサー、銀色のスプーン。よく使いこまれていた。

聞くところによると、
お風呂は円形の湯船に一部ジャグジーがあったそうです。
入湯できなかったのは非常に悔やまれるが後の祭りですね。

その後、平成14年(2002年)の3月頃、
静かに閉館していたと後になって知らされた。
跡地は住宅地として生まれ変わり、現在に至っております。


2017年9月現在

中心山荘跡地はどうなっているのでしょうか?
昔を懐かしんで周辺を散策してみることにした。
目まぐるしく発展していく京田辺市。

松井山手に北陸新幹線の駅が建設されるとか?
国鉄片町線が単線だった30年前からは想像もできませんが、
虚空蔵谷やそよかぜ幼稚園、竜王野外活動センターは昔のまんま。

中心山荘【温泉奉行所】
(旧緑のホテル中心山荘看板前から)

幹線道路からホテルへ向かう支道の入り口に
緑のホテル時代に建てられた
コンクリ製の看板は今もそのまま残っております。

『中心山荘』の文字は上から青いプラ板が当てられ見えないが、
プラ板の下には緑色したオリジナル版が少し顔をのぞかせていた。
少し胸が熱くなりました。

2002年ホテル閉館後もしばらくこの看板だけは掲げられ
物悲し気だったことが思い出されます。
他に痕跡がないのかさらに散策します。

中心山荘【温泉奉行所】
(旧中心山荘玄関前の風景)

パナソニック研修施設の入り口は
昔の中心山荘入り口を郷愁させられる。
なんとなく当時の雰囲気が感じられるのは私だけ?

建物こそ新しいが奥に細長い構造物は当時を彷彿とさせてくれた。
敷地の中には中心山荘時代のテニスコートがそのままの姿で残されている。
テニスコートに付属する更衣室?の建物も当時のものだろう。

中に入る許可が出るのか?
今日は確認することなくさらに周辺を探索します。

中心山荘【温泉奉行所】
(旧謝恩閣前からの景色)

謝恩閣跡地は結構な急勾配の山の傾斜地だがびっしりと住宅が建設されていた。
謝恩閣の入り口だったところには現在小さな公園があって
そこから小径(こみち)が上に続いておりその面影を感じることができる。

中心山荘【温泉奉行所】
(仙人頭跡からの景色。このアングルから緑のホテル全容が見えたはず。)

さらに山の中、当時小さな山の頂には
『仙人頭』と呼ばれる意味深な史跡?があったが
緑のホテル建設時に開拓されてなくなったことを思い出した。

閉館したのは『仙人頭』を壊した祟りだと噂したが、
今から思うとバブル崩壊のあおりを受けて?時代の流れ?
(軽はずみなことは言えないが)だったのだろうと思考する。

中心山荘【温泉奉行所】
(旧プール横の道路上から)

緑のホテル跡地はすべて住宅街へと変貌しその痕跡は皆無。
プール跡地には研修施設の駐車場になっている。
道路のカーブだけが当時の地形を思わせる。

中心山荘【温泉奉行所】
(旧梅林だった上からの展望)

梅林や浴場、酵素風呂があった場所には住宅が隙間なく建てられていた。
どこに何があったのかは今の地形では思い出されなかった。


(旧謝恩閣の上からの展望)

今となっては中心山荘でゆったり過ごしたり、
お風呂にのんびり浸って鯉を愛でる、そんなことは無理ですが、
どうでしょうか、このページを読んでいただいて思い出に浸るのは?

このページにたどり着いたみなさまは
おそらくこの地において楽しい思い出の持ち主。
いやな事を思い出された方には謝ります。

私の思い出の断片だけを綴ってみました。
みなさまと一緒にこのページを作っていけたら是幸いでございます。
ありがとう中心山荘!

ご拝読ありがとうございましたm(_ _)m

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温泉の場所 中心山荘の地図【温泉奉行所】
中心山荘の地図【温泉奉行所】


コメント 私が温泉の虜となった入湯施設のひとつ。
温泉の泉質

温泉ではありません。

適応性
営業時間
日帰り入浴時間09:00〜18:00
料金
大人 400円
小学生 200円
幼児 無料
宿泊(一泊二食付き)6000円〜
割引情報
入浴施設
男女別内湯各1、酵素風呂
備品等 100円リターン式ロッカー

連絡先

610-03
京都府綴喜郡田辺町大住責谷78
TEL07746-2-4451
アクセス 電車:樟葉駅から送迎バスあり。
車:
駐車場 あり、無料
お気に入り度 ★★★★★
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公式HP
温泉情報
入湯日付 1982年〜1985年
情報更新:2018.1.8
     2017.11.8


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