不動温泉【温泉奉行所】
(ふどうおんせん)



温泉奉行所京都府の温泉>不動温泉

20年以上前から北白川にある温泉の存在を知っていたが、
今まで車で前を素通りするのみで
入湯したことがなかった。

今の今まで
「近くだからいつでも来れるなぁ〜」なんて思っていたが、
今朝、急に訪れてみたくなってきた。

場所は京都府と滋賀県の県境、
霊峰比叡山麓の山深い位置にあって、
通称『山中越え』という京都と滋賀をつなぐ峠道沿いにある。

周囲は京都市街地とは違って、
鬱蒼とした広葉樹の広がる山の中で
信州の山奥のような秘境感さえ感じられる。

不動温泉【温泉奉行所】

そんな峠道に突如現れる不動院の赤いのぼりの列と、
「京都北白川ラジウム温泉」の看板が
目に飛び込んでくる。

不動温泉【温泉奉行所】

道沿いには『北白川天然ラジウム温泉』と
その東隣にある『不動温泉』が寄り添うように並んでいる。
今日は比叡山側にある『不動温泉』に訪れた。

駐車場はあるそうだが、
道沿いの空いたスペースに適当に停めて
温泉施設へと足早に進んだ。

不動温泉【温泉奉行所】

『不動温泉』の入口はとなりにある不動院の参道と同じで、
初めて訪れるときはちょっと入りにくい雰囲気があるが、
すぐに奥から女将さんが出てきて案内してくれた。

不動温泉【温泉奉行所】

クネクネと階段を昇ってゆくと
女将の案内で古めかしい玄関へ導かれた。

不動温泉【温泉奉行所】

玄関で靴を脱いだあと、
古い旅館のような懐かしさの残る大広間へ通された。

不動温泉【温泉奉行所】

窓際の一番奥に座布団と枕が用意され、
温泉水で沸かしたという番茶と
温泉の説明書きを女将が持ってきてくれた。

不動温泉【温泉奉行所】

不動温泉の説明やラジウム泉の紹介、
入湯方法などやさしく丁寧に教えてくれた。

内容の一部を紹介すると、
「ラジウム温泉は湯気に含まれるラドンが体によく、
浴室に湯気が充満しやすいよう天井が低くく設計されています。」

「朝から晩までこちらの広間でゆっくりしていただけますし、
お食事もご用意もできますよ。」
「うんぬん…」

不動温泉【温泉奉行所】

ということで
古めかしい大広間に置かれたとても立派な液晶テレビが気になりつつ
番茶を一杯飲んで浴室へと進んだ。

脱衣場には脱衣籠のみでカギ付ロッカーなどないので、
浴室手前にある貴重品ロッカーに大切なものを入れて
浴室へ向かった。

不動温泉【温泉奉行所】

脱衣場はとても趣のあるもので
どこぞの秘湯温泉のような素朴なもの。
雰囲気たっぷりで気分を盛り上げてくれる。

不動温泉【温泉奉行所】

立て付けの悪いガラスの引き戸を開けると
明るい色のタイルが張られた小さ目の湯舟がひとつ。
決して贅沢な造りではないが、
私一人で入湯するには十分な浴室です。

わずかに滅菌のための塩素臭が漂うが、
その量は微量なのであまり気にならない。
3〜4人も入れば窮屈となりそうな小さな湯舟で、
循環加温式の半かけ流し。

不動温泉【温泉奉行所】

湯舟に浸かれば『ザー』っとお湯が溢れ出る。
蛇口を開ければ冷たい源泉が好きなだけ供給できて
ザバザバとお湯が溢れ出す。
なんとも贅沢な気分になれる。

不動温泉【温泉奉行所】

お湯の温度は40度〜42度あたりで設定されていて
ゆっくりのんびり湯浴みできる。
ほぼ無色透明無味無臭の温泉なのだが、
とてもやわらかい浴感で上質な軟水の温泉を味わうことができた。

他に誰も入湯者がいないことをいいことに、
浴室内で洗面器を枕に横になってみた。

室内の湯気が程よく体を包み込み
全身から汗が噴出してくる。
疲れきっていた私の体にはとても良い休養ができたと感じられた。

不動温泉【温泉奉行所】

帰り道、源泉の持ち帰りができるということで、
持参してきた容器を持って汲みに行った。
お不動さまの袂から湧き出す『おたすけ水』
飲用の許可もとっているようだ。

不動温泉【温泉奉行所】

周辺は地質的に花崗岩質の岩盤だが、
このようなやわらかい軟水が湧き出してくるのは
なんだかとても不思議な気がした。

不動温泉【温泉奉行所】

評価について
京都市街地近くにこのような鄙びきった温泉があったとは驚きだ。
20年前からその存在を知っていたが
こんなに良い温泉が近くにあったとは灯台下暗し。

もっと早くに出会っていれば
私の温泉鑑はもう少しマシになっていたのかもしれません。
少し甘いかもしれませんが4つ星評価とします。


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2013.8.27再訪

猛暑の続いた今年の夏は
処暑を境に朝晩が過ごしやすくなってきた。

8月27日朝、ふと比叡山の頂きを望むと
不思議な朝靄(あさもや)が湧き上がるのを見た。
これは何かのお告げか神のお導き、私を呼んでいるぞ?

当温泉奉行所に最近導入した最新兵器、
舶来製(メイド イン ウクライナ)の飛び道具?
である放射線測定器を持参して
霊峰比叡山が抱きし、わびサビ満開の不動温泉を目指してみた。

不動温泉【温泉奉行所】

山沿いでは小雨が降ったり止んだりと不安定ではあるが
なんとか持ち直し、あの立ち昇る靄も消え去り不動温泉へ到着です。
只今の外気温度は20度

不動温泉【温泉奉行所】

開湯は午前9時30分。
少し早めに到着したのでお不動さん周辺を歩いてみることに。
比較的新しい不動院の建物の奥にはさらに石段が続いています。

不動温泉【温泉奉行所】

その急な石段を昇ってみると
崖に彫られたお不動さんの磨崖仏がコチラを睨んでいます。
さらにその奥、朱色に塗られた手摺りのある石段が続きます。

不動温泉【温泉奉行所】

突き当たりにあったのは古くて小さなお社。ゾクゾク
なんだか心細くなってすぐにもと来た石段を降りてゆきます。
情けない…。

不動温泉【温泉奉行所】

不動院と温泉浴舎の間、その突き当たりには谷間的な場所があって
花崗岩むき出しの崖地があるのだけれど、
その場所はなんだか空気が違う。

不動温泉【温泉奉行所】

その崖下には小さな建物やお不動さんと思しき仏様が何体か鎮座し不思議な空間。
近寄りたいが整備されていない山の中的な?、
はたまた崖が崩れてくるのか警戒線が張られています。

不動温泉【温泉奉行所】

試しに当温泉奉行所最新兵器をかざしてみると。
空間放射線線量は1時間当たり0.16マイクロシーベルトを表示した。
この数値は自宅の放射線量0.08マイクロシーベルトの2倍に値する。
今まで見えてこなかったラジウムの存在が明らかになった瞬間だ。

不動温泉【温泉奉行所】

源泉が流れ出すお不動さんの袂、
『おたすけ水』をコップに一杯ありがたく頂戴します。
さて、そろそろ開湯時間、中へお邪魔します。

不動温泉【温泉奉行所】

前回訪れてから早4年が経過している。
何も変わることのない寂れた感じはどこか懐かしさを感じる。
不思議なことに女将さんは4年前より若返った様に思った。
温泉の恩恵を受けたのか、お不動さんのお導きか…。

不動温泉【温泉奉行所】

大広間に通され小さなテーブル前に案内された。
テーブルの上には露がタップリ付いた緑のガラスボトル。
中にはお酒じゃなくて源泉がタップリ詰め込まれています。
前回はポットに番茶だったことを後で思い出した。

不動温泉【温泉奉行所】

温泉案内もA4カラー版に変更されラミネートまで施されている。
4年前から比べるとかなり変化しているように感じる。
それにしても女将さんは若返ったねぇ。
(女将さんには言ってませんが)

不動温泉【温泉奉行所】

さて、本題の温泉へ向うことにします。
古びたレトロ感タップリの脱衣場はほとんど変わることはなく、
変わったところといえば鏡に映る私の老けた顔ぐらいか。

不動温泉【温泉奉行所】

脱衣かごに衣服を整頓。
ガラスの引き戸を開ければそこは浴室である。

不動温泉【温泉奉行所】

青いタイルが貼られた湯船が優しく目に映ります。
なぜだか壁には風車のカラフルな絵がある(謎)

不動温泉【温泉奉行所】

冷泉なので循環加温は仕方ありませんが、
コチラの湯船からは少しずつではあるが湯が溢れています。
手元にある蛇口を開くと冷たい源泉が豪快にほとばしり
源泉かけ流しとなるすぐれもの。

不動温泉【温泉奉行所】

この日は消毒のための塩素臭はほぼ感じることなく
時間を忘れて湯に浸かることができました。
わずかながらにツルっとする感覚さえ覚えた。

お湯の温度は少し低めでのんびり浸かれます。
湯船の沸かされた湯の温度は実測40.1度
蛇口から注がれる源泉の温度は22.9度という計測結果です。

不動温泉【温泉奉行所】

浴室内はホルミシス効果を衒って(てらって)か湯気でかなり白く
窓も開かなく換気もできない空間だ。
放射線量も周辺と同じく0.11〜0.15と思ったより低めである。

不動温泉【温泉奉行所】

結局朝の9時30分からお昼の12時まで
温泉に2回入って軽く昼寝までしてゆっくり寛いだ。
薄暗い部屋の奥には古いソファーがあって
そのソファーを独り占めして寝そべるのが私のお気に入り。

ランチも楽しめるがここで食べると帰りが遅くなる。
もう少しゆっくりしたいが今日はここまで。
外はいつの間にか夏の日差しが復活し暑苦しい。
でも秋はもうそこまで来ているのだろう。

不動温泉【温泉奉行所】

コチラの温泉で英気を養い残暑を乗り切ろうと意気込む私です。

不動温泉【温泉奉行所】

追伸
コチラの温泉に入った後は
なぜだか身体がとっても疲れます。
これもラジウムが体内に取り込まれた作用なのか?

最新型兵器の放射線測定器が指し示す数値はあくまでも目安です。
計る場所やその計る方法・機種の違いで幾ばくかの誤差や違いが出ていると思われます。
ラジウム温泉の効能については個人差もあって
一概にどうこう私は説明できませんのであしからずm(_ _)m


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不動温泉浴室の動画



温泉の場所 不動温泉の地図
不動温泉の地図


コメント 京都市内にこのような鄙びた温泉地があるとは驚きだ。
温泉の泉質

源泉名:不動温泉
単純弱放射能泉/ラドン含有量30.6×10-
10キューリー毎Kg/源泉温度9.5度/pH7.07

適応性 肩凝り、胃腸病、肝臓病、皮膚病、冷え性、神経痛、リウマチ、自律神経の過敏状態/飲用と併用で糖尿病。胃腸カタル、痛風
営業時間
9:30〜19:00(土日祝は〜20:00)
定休日:木曜日
料金
大人1200円+入湯税100円(23年4月改定)
入浴施設
男女別内湯各1
備品等 ボディソープ、リンスインシャンプー、ドライヤー、タオルあり

連絡先

京都市左京区北白川地蔵谷町1ー244 
TEL075ー781ー5480
アクセス 京阪バスで三条京阪又は京都駅発「比叡平団地」又は「比叡山」行で「地蔵谷」下車すぐ
無料送迎バスあり。銀閣寺交差点を西へ20M北側で午前9時30分と午前10時30分発
駐車場 無料10台分あり
お気に入り度
塩素消毒臭度  012345
公式HP 不動温泉のHP
温泉情報
入湯日付 2009年6月24日
2013年8月27日(火)雨のち曇り


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