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温泉奉行所>群馬県の温泉>法師温泉 長寿館 |
2021年3月、『吹割の滝を目指して温泉ツアー』と銘打って目指したのは、 群馬県にある老舗温泉旅館『法師温泉 長寿館』 本日は三日目の最終宿泊地を目指して安全運転。 二日目の宿『栃尾又温泉 自在館』をチェックアウト後、 宝川温泉を経由して旅の最終目的地『吹割の滝(ふきわれのたき)』に到着! 東洋のナイアガラとして名高い国指定の天然記念物。 ![]() 滝の落差は約7メートル、横幅約30メートル、 滝の規模は小さいけれど、大きな地割れに流れ込む水の様は迫力があります。 ナイアガラというのはチョッと表現に盛り過ぎかもですが…。 滝を見学後、下流にある『老神温泉』で湯浴みはいいけれど、 ランチも食べずに湯めぐりしすぎてのぼせ気味! 本日のお宿『法師温泉 長寿館』へ急がねば。 ![]() 単調な田舎の道を眠い目をこすりながら到着しました。 なんとも趣ある木造建物群なのでしょうか。 大正時代?いや、もっと昔にでもタイムスリップしたかのよう。 ![]() 映画『テルマエ・ロマエU』では赤いポスト前の溝の中に 女優『上戸彩』が大量の玉ねぎを隠していたシーンを思い出す。 なんだか不思議なほどに心落ち着くお宿です。 ![]() 巨大切り株のテーブルに銘石の置物、 時代を感じさせる調度品が心和ませてくれる。 チェックインの手続きは客室へ案内されてから所定の用紙に記入します。 ![]() 案内されたのは「トイレ、バスなし」和室の築100年以上経過する本館の古いお部屋。 貧乏サムライは一番安いプランをチョイスするもなんと一人一泊22000円! でもね、このお宿このプランにしてよかったとしみじみ思いました。 ![]() お部屋はポカポカ、コタツもあっていいですね。 客室は書院造りと申しましょうか「国登録有形文化財」に指定され風格があります。 このお部屋昭和四年に『竹久夢二』がお泊りになったとか… ![]() 説明書きもお部屋に添えられ当時に思いを馳せる。 法師川のせせらぐ音がBGMの客室は時の流れも緩やかだ。 しばし広縁の椅子で寛ぐのであります。 ![]() お部屋まで案内していただいた女中さんはなんとネパールの方、 流暢な日本語で話されてこれまた心地よい。 窓からの景色をしばし眺めた後はお楽しみ温泉タイムです。 ![]() 良い温泉を示す指標(私観的)のひとつ『動物のはく製』もこんなに展示が…。 ニホンカモシカを経由して1階の奥にある内湯『法師乃湯』へ向かいます。 本館内はとても古いが雰囲気抜群ですね。 ![]() 明治八年開業で創業140周年を迎えた宿は、意外と最近だと思われるが、 お湯は弘法大師の発見と伝えられとても古く、そのため『法師乃湯』と呼ばれています。 男女別の脱衣場入り口前でスリッパを脱いで木製引き戸を開けます。 ![]() 脱衣かごは一つおきに設置されソーシャルディスタンス。 ブラウンを基調とした木の脱衣場も雰囲気たっぷりである。 心静かに準備を整えて浴室引き戸を開けると…、 ![]() 鹿鳴館様式の建物と呼ばれる内湯空間は総木造づくり。 太い梁がむき出した高い天井に教会のようなアーチ形窓が印象的だ。 四つの湯船はすべて足元湧出の源泉かけ流しなのです。 ![]() 心静かにかけ湯して手前の湯船から浸かります。 わずかに硫化水素の香り漂うお湯はほぼ無色透明の軟らかい湯。 実測温度は40.7度と温めで長時間の入浴が愉しめる。 ![]() 天井の梁を目を凝らしてみていると、二枚の額が掲げられている。 暗いうえに墨で書かれた達筆な文字は判読が難しいが、 どうやら温泉の効能が書かれているようでした。 ![]() 奥側の湯船に移動すれば、チョッピリ温度がぬるいのです。 実測温度は39.3度さらにのんびり湯浴みできて居眠りしそうなほどに。 足元には玉砂利が敷き詰められ時折温泉由来の気泡がプクプクと湧いてくる。 ![]() 四つの湯船にはそれぞれ中央に丸太が横たえられている。 丸太は固定されておらず、前後にずらして移動もできるので、 好きな場所で頭をのせたり、足を置いたり、身も心も委ねます。 ![]() 左右の壁には共同浴場のような脱衣箱があるので、 昔はここで衣服を脱ぎ着していたのでしょうか。 雰囲気的には『四万温泉 積善館 元禄の湯』が思い出される。 ![]() 午後8時から午後10時までは女性専用時間ですが、 それ以外は混浴で利用できる今では貴重な湯船なのです。 コロナの影響でほぼ独泉状態、混浴なんて夢のまた夢なのであります。 ![]() 手前湯船にある温泉湯口からは実測温度42.1度の湯が注がれ お湯も香りも新鮮な温泉が感じられた。 当然ながら純然たる源泉かけ流し温泉で極楽気分が味わえた。 ![]() 湯上り後は旅館内を探索します。山側の渡り廊下を進んだ先は、 スエーデンのヴィクトリア皇太子がお泊まりになった客室もある『法隆殿』 新しさを感じる木造の立派な建物です。 ![]() 建物外観からは想像もできない美しい内部は、 女性の方や潔癖症のあなたにおススメです。 私は本館の古びた客室がお気に入り。 ![]() 法師川を渡河(とか)する渡り廊下の向こうは『別館』と『薫山荘』 広くてどこが別館だか薫山荘なのか分かりませんが、 夏目雅子も泊まったお部屋もあるそうな。 ![]() 法師川を挟んで右が本館、左が別館と薫山荘 国登録有形文化財に指定された昭和15年造の『別館』は全室トイレ付 昭和53年に建設された木造二階建ての『薫山荘』はゆったりした間取りの客室らしい。 ![]() 玄関や廊下に展示されている品物もさまざまあって楽しいです。 動物のはく製、掛け軸、複製刀剣、銘石鉱物化石、 なかには趣味の悪い骨董チックなお道具もあって温泉旅館らしいですね。 ![]() 一通り探索したのちに目指したのは『長寿の湯』 『法師の湯』手前左に進めば突き当りに暖簾が現れる。 ここは午後5時に男女が入れ替わるので宿泊時は忘れずに入湯しましょう。 ![]() 脱衣場は他ではあまり見ない調度品が並ぶ異空間。 モダンな感じで無駄のないシンプルイズベストみたいな。 こんな空間、自宅にも欲しいかもです。 ![]() 女性専用風呂として公式HPに紹介されていますが、 午後5時から8時までは男性も楽しめるコチラ浴室は、 真新しい檜の板が壁を覆い、足元湧出のかけ流し温泉がすばらしい。 ![]() 法師川のすぐそばに立つ『長寿の湯』浴舎は、 外観は苔むした檜皮づくりの古びた屋根がとても印象的。 中はこんなにきれいだとは誰が想像できようか。 ![]() 軟らかい浴感の湯は湯船の縁を静かに溢れ流れ出す。 実測温度41.3度とまろやかな温度は心も身体も温めてくれる。 湯船の底は自然石がゴロゴロしているのも新鮮です。 ![]() 混浴の『法師の湯』では洗髪などできないが、 ここではシャワーや混合水栓、シャンプーなどが揃っているので 存分に洗うことができる。 ![]() 私はシャワーなんぞ使用せず、 『長寿祝』の額を見ながら、湯船の湯を桶ですくって豪快に頭からぶっかける。 源泉かけ流しの新鮮なお湯なので気持ちいいですよ。 ![]() そうこうしている内に夕食の時間です。 場所は一階の食事処ですが、それぞれ個室で頂ける。 周囲の目も気にならず、コロナ対策としても効果的ですね。 ![]() 献立を見ると、造りの欄に『ギンヒカリ』? お米コシヒカリの親戚かと思われたが、 聞くところによると、群馬県特産の最高級ニジマスの種類だそうだ。 ![]() サーモン系のお味で脂ものっている! その隣にあるのは『なまずのいそべまき』、友人の中国人はナマズは美味いと言っていたが、 これは何だか不思議なお味である。 ![]() 鍋ものとして、上州麦豚陶板焼きが良い香りを放ってきた。 群馬県産の豚肉で純国産、普段家庭では味わうことはない一品だ。 脂身がとっても甘くてジューシー、ビールによく合います。 ![]() 普段飲酒しない私も温泉過多で飲みたくなってきた。 メニューにあった『モリノポーター黒ビール』を注文、 甘さを感じるコクのあるビールで食事を愉しむのでした。
最後のデザートはイチゴだけ…? 山の幸ずくめの手抜きなしやさしい夕食を タップリ愉しんだ後は再度の温泉入湯。 ![]() 午後8時に男女の入れ替わった『玉城の湯』へと向かいます。 温泉エリアの最奥突き当りにある浴室はこれまたとてもきれいです。 西暦2000年に建設されたということで新しさを感じます。 ![]() 脱衣場の入り口はチョッとした旅館の玄関入り口の様な佇まい。 木の床も磨き上げられ、清掃状況も完ぺきに仕上げられている。 男女入替られた瞬間なので女性がいないかよく確認してから入場です。 ![]() 『日本秘湯を守る会』の提灯が照明替わりで薄ら暗いが雰囲気たっぷり。 総木造りで重厚感を感じる脱衣場で脱衣場にしておくのがもったいないぐらい。 浴衣を脱衣かごに収めて、浴室の引き戸を開けます。 ![]() 大きな木の湯船がひとつ、湯を溢れさせ私を迎えてくれた。 チョッと深めの湯船は加温された源泉が足元から供給されたかけ流し。 自然石がゴロゴロしているが、石の下には給湯管があるらしい。 ![]() 窓の外に広がるのは池のある石庭園なのでしょうか? 池には鯉が泳いでるのかな?滝からはヤケに湯気が立ち昇っているなぁ〜。 「っていうかココ露天風呂とちゃうの〜」 ![]() 3月のまだまだ冷たい空気と夜空を望みながら露天風呂を愉しむ。 標高は800メートル、夜間はさすがに冷えますが、 泉温と気温の差が大きいほどに心地良さも格別だ。 ![]() 夕食と入浴を終えて部屋に戻るとお布団が敷かれています。 『長楽無極』と墨書きかれた襖の書、どういう意味なのか? 『楽しみが限りなく続くこと』そんな夢を見ながら床に就いた。 目が覚めると楽しい温泉巡りの旅も本日が最終日、 楽しいことにはやっぱり限りがあるこのご時世、 今日も精一杯楽しみますよ。 ![]() 目覚めの湯は『玉城の湯』から。 夜の薄暗い浴室とちがって窓からは朝日が差し込み美しい。 湯船の底には腰かけできる大きな石があって、その下から加温された源泉が給湯されている。 ![]() 鹿鳴館様式の『法師の湯』を模したような浴室ですが、 こちらにもアーチ形の窓もあって雰囲気いいですね。 シャワーやシャンプーなど備えられ頭を洗ったりもできます。 ![]() 別源泉27.8度の単純泉を加温されているというコチラの露天風呂、 滝の方向へ行くほどに熱くなってくるので 自分の好みの温度の場所を探してゆったりくつろげる。 ![]() 入湯後、朝食まで時間があるので周辺の散策です。 山の頂には積雪があって、広葉樹にはまだ葉っぱはないが春はもうすぐそこ。 小鳥のさえずりと法師川のせせらぐ音が荒んだ心をリセットしてくれる。 ![]() 宿の北側、法師川の上流付近は見所タップリです。 薬師如来や長寿の泉、山の景色も美しい。 旅の最終日、安全祈願を薬師如来にお願いして朝食タイムです。 ![]() 魚沼産コシヒカリに温泉卵をぶっかけて食べる朝食は温泉宿での贅沢。 宿のイチオシ、こだわり生ハムをいただきます。 白ご飯がおいしいのでお代わりしました。 ![]() 食事処の窓からは源泉井戸が拝めます。 近くに足を運べば硫黄の香りに包まれてここでも温泉が感じられますよ。 宿の周辺どこを歩いてもバックヤード的な醜い景色はありませんでした。 ![]() 朝食事後は『法師の湯』にてお別れの湯浴みです。 いつまでも入湯できるぬるい湯に、淡いイオウの香りは飽きがこない。 客室の襖にあった墨書き『長楽無極』を彷彿とされる温泉なのでした。 法師温泉長寿館でお泊りをお考えの方へ。 ご予約は宿へ直接するよりも楽天トラベル↓ じゃらんnetを介して予約する方が
↑ポイントが使えてお安く予約ができることもありますよ。 空室状況もWeb上で瞬時にわかる優れもの。 おためしあれ。 |
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温泉の場所 | ![]() |
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コメント | これぞ日本の温泉、混浴の露天風呂を備える鄙びた木造の温泉旅館。 |
温泉の泉質 |
源泉名:旭の湯/泉質:カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉/泉温約42.2℃/pH8.4 |
適応性 | 神経痛・筋肉痛・冷え性・関節痛・疲労回復・運動器障害など |
営業時間 |
日帰り入浴10:00〜15:00(不定休等あり要確認) 定休日:水曜日 |
日帰り入浴料金 |
大人1000円 |
割引情報 | |
入浴施設 |
男女別内湯、混浴『法師の湯』、露天風呂 |
備品等 | シャンプー、リンス、ボディーソープ |
Wifi | あり |
連絡先 |
〒379-1401 群馬県利根郡みなかみ町永井650 TEL0278-66-0005 FAX0278-66-0003 |
アクセス | 車: ●関越自動車道『月夜野 I.C.』から約32分 電車: ●JR上越新幹線上毛高原駅から関越交通猿ヶ京行きバスで30分、終点で町営バス法師温泉行きに乗り換えて20分、終点下車すぐ |
駐車場 | 30台あり、無料 |
お気に入り度 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
塩素消毒臭度 | 012345 かけ流し |
公式HP | 法師温泉長寿館のHP |
温泉情報 | |
入湯日付 | 2021年3月18日(木)〜19日(金)曇り |
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