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温泉奉行所>富山県の温泉>黒薙温泉 黒薙温泉旅館 |
2020年9月、『秘湯温泉を探るツアー』と銘打って目指したのは、 本日ツアー初日、トロッコ電車でしか辿り着けない秘湯『黒薙温泉』を目指します。 宇奈月駅発トロッコ電車の終電【14:56】に乗り遅れると宿には到着できないらしい…。 ![]() 京都を朝6時に出発し北陸道黒部インターに到着したのが11時前、 まずは気になるお蕎麦屋さん『黒部そば屋』でランチタイム。 二色そば大盛(1100円)を注文します。 ![]() 十割そばで提供しているコチラのお蕎麦屋さん、 右の白いそば『更科そば』がプリプリ食感でなかなかうまい。 会計時、次回使える一割引きのチケットをもらったが…。 ![]() ランチを手早く済ませて宇奈月温泉を目指します。 宇奈月温泉は大正十二年(1923)に開湯した温泉街で、 7キロ上流にある黒薙温泉の湯を引き湯され利用されている。 ![]() 駐車場は、黒薙温泉旅館と提携している『宇奈月駐車場』へ。 宿に宿泊すると一泊二日の駐車料金は500円で利用でき、 立体駐車場なので車の中も熱くならないので良かったです。 ![]() ここからは徒歩でトロッコ電車『宇奈月駅』へ向かいます。 手前にある『宇奈月温泉駅』とは違う駅なのでお間違え無く。 13:11発欅平行きトロッコ電車に乗ることができました。 ![]() 13両で編成されている客車は3種類の車両があって、 特別客車、リラックス客車、普通客車に分類され 側面に枠や窓のないオープンな普通客車以外は追加料金が必要です。 ![]() 黒部渓谷沿いを走るトロッコからはトンネルあり鉄橋あり風光明媚な景色ありと 普通の電車では味わえない様々な発見があります。 トンネル内は涼しいけれど車両が発する金属音が反響し騒音が半端なくうるさい。 ![]() 車両内で室井滋さんの観光案内アナウンスがありますが、 オープン型車両ではその半分ぐらいは聞き取ることが難しいかも。 黒薙駅へは24分で到着します。 ![]() 黒薙で下車したのは私ひとり、 ひとりで勤務している駅員さんに黒薙温泉へ向かうルートを訪ねてみた。 優しく対応してくれる駅員さんは丁寧に道案内をしてくれる。 ![]() ホームから軌道敷内へ飛び下りるように渡った向かいの石段を歩いて登ります。 公式データで約600メートルの道のりで約20分歩いたところに 本日の宿『黒薙温泉旅館』があります。 ![]() 行程の前半はほぼ登りの石段が続きます。 登りきったところからは渓谷の鉄橋を渡るトロッコ電車の雄姿が拝めるのだ。 こんなところに鉄道を敷くなんて信じられない。 ![]() 山道中盤はほぼ平坦な行程で路面もコンクリ舗装されている。 とはいえ、岩山の崖っぷちを歩いているので、 落石や雨天時においては滝のように水が降り注ぐ場所もあるので要注意です。 ![]() 後半は下りの石段が続きます。 石段を下りて行くと渓谷を流れる水のせせらぎが感じられる。 鳥のさえずり、風のそよぐ音、木漏れ日の模様を愉しみながら山歩き。 ![]() 黒薙駅から続くトンネルの入り口からは冷気が吹き出し天然のクーラー、ああ涼しい~。 以前はこのトンネルを通行できたそうですが、 今は鉄道の敷地内という扱いで立ち入りが禁止されています。 ![]() 歩き始めて約15分で旅館前に到着です。 とんでもない山奥にきたもんだ、と思いきや標高は280メートルと低く、 避暑地と思って来たものの気温は30度以上はあると思われる。 ![]() それにしてもこんな渓谷の崖っぷちにこんな旅館を建てようと思ったね。 しかも慶応四年(1868)に加賀藩の許可を得て正式に開湯したというが、 ここまでの湯治に向かう手段は歩くのみだったのでしょうか? ![]() 受付にて『本日宿泊予約した者ですが』と申し出ると、 「今日の予約は温泉サムライ様おひとりですよ。」 そうです、事実上私一人の貸し切り旅館と相成りました。 ![]() 案内していただいた客室は1階の渓谷側のお部屋。 靴は踏込がないので扉の前で脱いで中へ入ります。 広縁やトイレもなくガランとした6畳の部屋はチョッと寂しい感じ。 ![]() しかし、そんな寂しい感じを補ってくれるのが窓からのこの景色、 轟音を伴って堰堤から流れ落ちる大量の水。 川向こうの山には急傾斜を流れる沢水は一条の滝のように目に映ります。 ![]() それにしてもコチラの客室、テレビも冷蔵庫もエアコンもない、 室温は30度はあるだろうか?画像には写っていないが、 頼みの綱はこの小さな1台の扇風機、コイツで涼を求めるしかなさそうだ。 ![]() 気を取り直して浴衣に着替え、 宿から少し歩いた先にある混浴露天風呂『源泉(いずみ)』を目指します。 渓流沿いを上流に向かって徒歩1分すぐに到着です。 ![]() 渓谷沿いにある露天岩風呂は自然に溶け込んだ正に野天風呂、 透明度の高い澄んだお湯からは明瞭なイオウの香りが感知できます。 湯船の袂には簡易ながら男女別の脱衣場があって、 ![]() ![]() 内部には冷房完備とはいかないけれど、 一台の扇風機と脱衣かごが備えられている。 水着やタオルの着用が認められているので女性の方も安心して入浴できますね。 ![]() 誰もいない露天風呂へ早速入湯します。 淡い硫化水素の香りに包まれ、ツルスベ感のある透明で柔らかいお湯。 加水されているという露天の温泉はもちろん源泉かけ流しである。 ![]() 私の温泉七つ道具のひとつである温度計がなんと電池切れ。 湯口にあった温度計によると42度と少し、 夏のこの季節、チョッと熱めと感じました。 ![]() 公式ホームページによると山中にある露天風呂のため、 アブやブヨがたくさん飛来しているというが、9月に入ってからは少なくなったそうです。 それでもたくさん刺されましたけど。 ![]() 少し浸かるとイオウの効果なのかいつまでも身体がポカポカ温かい。 湯船から出てコンクリ舗装部を裸足で歩けば…、熱っ! この辺り、地下から98度ぐらいの湯が湧いているらしくアッツアツ。 ![]() アブの攻撃に負けて、温泉にのぼせて露天風呂はそこそこに、 自然豊かな旅館周辺を散策します。 あちらこちらから立ち昇るイオウ風味の湯気が日常の喧騒から逃避できた気分。 ![]() チョッと渡ってみたくなる弱々しいつり橋は 関西電力送電線の巡視用なので渡れません。 宿の川下にある『天女の湯』にも同じようなつり橋がありました。 ![]() 旅館建物の正面にはお堂があって、 中には『黒薙温泉薬師如来像』が鎮座しております。 西暦721年この薬師如来さまのおぼしめしで黒薙温泉が発見されたとあります。 ![]() 薬師さまに一礼してこの旅の安全祈願をします。 少しお部屋でいっぷく後、内湯へと向かいます。 内湯は階段をさらに降りた宿では一番低い場所にあって、 ![]() イオウの香り漂う木の廊下は雰囲気があっていい感じ。 金属製100円リターン式貴重品ロッカーも休憩処前にあって 日帰り入浴客の盗難対策もなされております。 ![]() こじんまりとした脱衣場には鍵付きロッカーに 扇風機やドライヤーまで設置されております。 こんなに山奥なのに意外と設備は揃ってますね。 ![]() 準備を整え内湯の扉を開けると、 大きなガラス窓の袂に透明なお湯が溢れだす湯船がひとつ。 すぐ横を流れる渓流のせせらぎ音が響きます。 内湯は加水なしの源泉100%ということなので イオウの香りや弱アルカリ性のツルスベ感も別格なのであります。 湯の温度は体感で42度から43度と少し熱めです。 ![]() 内湯ではシャンプーやリンス、ボディーソープの用意があって、 シャワーの水圧も通常通りしっかりしております。 カランのお湯からはイオウの香り漂う温泉利用です。 ![]() 内湯入り口前にはのどを潤す湧き水利用の冷水器、 さらに外に出たところには温泉が味わえる飲泉場があります。 備え付けの温度計によると温度は約70度を示しています。 ![]() 『夕食の時間となりました、みなさん食堂にお集まりください。』 との館内放送で夕食タイムとなりました。 食堂は正面建物の1階部分にあります。 ![]() 宿のスタッフによる黒薙温泉の紹介と料理の説明がありました。 コロナの影響で説明は簡略化されていると仰っていましたが、 なかなか良いお話を聞けて参考になりました。 ![]() 夕食は山の恵みを中心に『昆布〆刺身』という海のものも交えた質素な膳。 こごみの胡麻和えはなかなかの美味でした。 山菜は宿で使う一年分を近くの山で収穫し仕込むと部屋の資料で読みました。 ![]() 夕食はご飯とみそ汁はお代わりが可能なのでタラフク食べて、 もう一つの露天風呂『天女の湯』へと向かいます。 普段は女性専用(男性入浴時間あり)となっておりますが、お客は私一人。 照明はあるが周辺景色は漆黒の闇に包まれ何も見えないが、 渓谷を流れるヒンヤリとした優しい風がのぼせた身体を冷やしてくれた。 様々な思いを胸に自分で敷いた布団に横になるも…、 渓谷を流れる水の音が半端なくうるさい。 窓のサッシは二重窓ではあるが重低音で寝られないかも。 そんな時はこのBOSEヘッドホンを使って私は眠ります。 ![]() このヘッドホンは強力なノイズキャンセリング機能が付いているので 辺りの雑音は完全にシャットアウト、 スマホからブルートゥースで好きな音楽も聴けて一石二鳥なのです。 ![]() 新型が出たので私も新たに買い替えて、 旅行のお供に持ち歩きたいと思います。 温泉サムライおススメの温泉七つ道具のひとつなのです。 ![]() 早朝に目が覚めたので『天女の湯』へと向かいます。 テントの簡易な脱衣場があるがそこはスルーして、 露天風呂の傍にあるベンチで浴衣を脱いで湯船に浸かります。 ![]() 湯口から大量の注ぎこまれる源泉は、 湯船の縁から渓谷へ流れ落ち、その湯気が舞い上がって幻想的だ。 体感温度で43度ぐらいあって熱めだが、 ![]() ここには加水できる蛇口があって温度調整が可能なのだ。 アブなどの飛来も少なく快適温度の露天朝風呂は最高なのである。 ここから望む渓谷美はこれまた素晴らしいです。 ![]() 川岸の向こうには源泉が湧き出し湯気が龍のごとく天に昇り、 そこに朝日が差し込んで輝くさまは現地でしか味わえない極楽気分。 ここはいつまでも心に残る温泉地と言えるだろう。 時間を忘れて天女の湯に浸っていれば、朝食の時間となりました。 『朝食の準備が整いました、みなさま食堂へお集まりください』 の館内放送が響きます。 ![]() 食事会場は夕食と同じ場所で頂きます。 今日はトロッコ電車で欅平へ行き、そこから歩いて祖母谷温泉まで向かうので お腹いっぱい朝食をいただきました。 ![]() 朝食後、もう一度『天女の湯』に浸かって黒薙温泉とお別れです。 8:41黒薙駅発の欅平行きトロッコ電車に乗るべく準備を進めます。 清算を済ませて宿の方にお礼を言って8:10宿を後にします。 ![]() 8:25黒薙駅に到着です。 駅員さんも乗客も誰もいない駅舎には初秋の涼しい風が吹いている。 分岐している線路やどこかに続く小さなトンネルを見ながらトロッコを待ちます。 ![]() さあ、新たな温泉に向けて出発だ。 黒薙温泉旅館さんありがとうございました。 きっと新たな発見があるコチラ旅館は温泉サムライ推奨の温泉宿です。 黒薙温泉や宇奈月温泉周辺で宿をお探しの方、 宿に直接予約するよりも じゃらんnetや楽天トラベルを介してする方が お安く泊まれることが多いですよ。↓
一度お試しあれm(_ _)m |
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温泉の場所 | ![]() |
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コメント | 車では行けない、トロッコと徒歩で向かう混浴温泉は大自然に溶け込んだかけ流し温泉だ。 |
温泉の泉質 |
源泉名:黒薙温泉/泉質:弱アルカリ性単純温泉(低張性高温泉)/源泉温度98.3度/pH8.15/湧出量2000リットル毎分(自然湧出)/成分総計554mg毎kg |
適応性 | 神経痛・筋肉痛・五十肩・慢性胃腸消化器病・冷え性・痔病・関節痛・運動麻痺・打ち身 他 |
営業時間 |
営業期間:毎年4月下旬~11/23頃まで ※黒部峡谷トロッコ電車の運行期間により変更がございます。 日帰り入浴時間/9時から15時15分 |
料金 |
大人700円、小人300円、未就学児無料 |
割引情報 | |
入浴施設 |
混浴露天風呂(1) 男女別内湯(各1) 女性専用露天風呂(1)(男性入浴時間あり) |
備品等 | シャンプー、ボディソープ、ドライヤー |
連絡先 |
〒938-0282 富山県黒部市宇奈月町黒薙 Tel.0765-62-1802 |
アクセス | 電車:トロッコ電車、黒薙駅から徒歩約20分 車:北陸自動車道黒部ICより宇奈月駅まで車で約20分。 |
駐車場 | 宇奈月温泉に提携駐車場あり(宇奈月駐車場一泊二日500円) |
お気に入り度 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
塩素消毒臭度 | 012345(かけ流し) |
公式HP | 黒薙温泉旅館公式HP |
温泉情報 | |
入湯日付 | 2020年9月2日(火)晴れ |
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