沖縄県 中乃湯
(なかのゆ)



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異国情緒漂うここ沖縄にも、
昔ながらの銭湯があるということで訪れた。


米軍が駐留している関係で横文字の看板が多く目に映る沖縄市。
その市内にある銭湯「中乃湯」へとレンタカーを走らせた。


場所は那覇市内から北東方向に位置する沖縄市内にあって、
高速沖縄南インターから東へ数キロ、
安慶田交差点を南へ50メートル程入った東側にあるが、
周辺はかなり市街地化しており、
道路は大都市並みの渋滞でアクセスにはかなりの時間が必要だ。
時間に制約がある場合は余裕を持って訪れた方がよさそうだ。


この日は沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館を見学後に立ち寄ったが、
夜間慣れない道を慣れないレンタカーで訪れた割りには
迷わず来る事ができました。



沖縄県 中乃湯



その銭湯は白いモルタルの壁に「中乃湯」と黒字で書かれているので、
それを目印にして訪れましょう。
なお、案内板などは一切ないので
迷った場合は地元の方に訪ねることをオススメする。


沖縄県 中乃湯


銭湯前のベンチには、
おじーとおばーがおしゃべりしている。
「今日はお風呂は入れますか?」と聞くと、
おばーは沖縄なまりで「どうぞ!」


どうやらこのおばーが銭湯の主らしい。
入湯料金350円をそのおばーに支払って施設へ入場するが、
入口から脱衣場につながる通路がとても狭くて、
体を横にヨジルようにして通過する感覚だ。
おそらくこの狭さは日本一ではないかと思います(笑)


沖縄県 中乃湯


中に入ってビックリです。
なんと脱衣場と浴室の仕切りがなく湯舟が丸見え状態。
内湯でこのような間取りは初めて見ました。
まるで江戸時代にでもタイムスリップしたような錯覚に陥ります。


沖縄県 中乃湯


脱衣箱は木製で青いペンキがテキトーに塗られた簡易なもので、
ロッカーキーもなく番台もありませんが、
浴室から脱衣場が丸見えなので、
盗難にあう心配はないかもしれません。


服を脱ぎ湯舟へと向かう。
中央には小さな楕円形の湯舟がひとつ、
薄い草色をした湯が張られている。


沖縄県 中乃湯


ここでは湯舟のことを「池」と呼ぶらしく、
体を洗ってから池に入らなくてはいけないそうだが、
私はそのことを知らずに掛け湯をして湯舟に入った。


後にして思うと、
周囲にいた地元の方はやけに怖い顔で私を見ていた気がする。
沖縄人の顔は彫りが深くもともと怖い顔をしているので
その時はなんとも思わなかったが、
実際は本当に怒っていたのかもしれません。


私はいつもの調子で地元の方に話し掛けたが、
その方は怖い仏頂面のままいろんな話を聞かせてくれました。


ひとりの常連客が外のおばーに「ゆー」と叫んだかと思うと、
湯船の底からかなり熱い湯が大量に供給された。
湯舟はみるみる一杯となり溢れて掛け流される。


熱い湯が好きな私はゆっくりと湯浴みすることができました。
供給されている湯はいつ止まるのかな〜?
と考えていると、
「ゆー」と叫んだ常連客はトコトコと浴室奥の青色に塗られた木の扉を
2回「ゴンゴン」と叩いた瞬間湯の供給は止まった。


なんとも連携のとれた客とおばーとのやり取りに感心してしまった。
強面のその常連客は気持ちよさそうにその熱い湯船に浸かっている。
「熱くないですか?」と聞くと、
強面常連客「これ熱いの?」と沖縄なまりで聞きなおされた…。


湯に浸かるとアルカリ性で重曹泉なのか若干つるつるする美人の湯系で
やさしい鉱物臭ときれいな草色の湯に包まれ、
うっとりするような極上の浴感を味わうことができた。


さらに、湯船の湯は循環や滅菌などはなく、
加温された湯が適宜供給される仕組みのようだ。
「体をきれいに洗って入湯してください。」の意味が
分かったような気がした。



沖縄県 中乃湯


洗い場の蛇口からは熱く沸かされた源泉が使用されているらしく、
コチラの湯を味見すると、
極わずかな塩味と鉱物臭を感じるやさしい味です。


沖縄県 中乃湯


湯上り後おばーに温泉について話を伺うと、
ここは非公式の温泉らしく銭湯として許可を得て営業されているそうだ。
泉質について聞くと「ラジウム泉」ということですが、
私は重曹泉だと感じました。


評価について、
周辺は交通量が多く住宅地ですが、
鄙びきったこの温泉銭湯は貴重な温泉遺産だ。


湯は冷泉だが、沸かし湯を適宜手動でかけ流すスタイルは
省エネともいえるエコ設計だ。
この暑い国沖縄で45度を超える熱い湯にめぐり合えるとは
なんとも意外な出会いだった。


泉質やそんな意外性に満点に近い4つ星評価とさせていただく。


温泉の場所 沖縄県 中乃湯の地図
沖縄県 中乃湯の地図


コメント 沖縄県にある温泉銭湯、ここはマニア必見の温泉です。
温泉の泉質

ナトリウム-炭酸水素塩泉(ラジウム泉?)/pH7.6/固形分1538mg毎リットル

適応性 婦人科疾患(冷え込み)、リュウマチス、腺病、虚弱体質など
営業時間
15:00〜21:30(日曜定休) 
料金
大人350円
入浴施設
内湯男女各1
備品等

連絡先

沖縄県沖縄市安慶田1
TEL098−937−8953
お気に入り度
塩素消毒臭度  12345
公式HP
温泉情報
入湯日付 2008年12月26日



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