北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】
(にしききょうおんせん)



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10回目の北海道上陸は初めての冬季の訪問だ。
函館は道内でも暖かいところといわれているが、
夜間ともなると気温は一気に氷点下。
普段寒さになれていない私は
奥歯をガタガタ言わせて震え上がった。

函館での用事と食事を済ませると時間は21:30を過ぎていた。
この日の最終目的地『西ききょう温泉』へ訪れるかどうか
迷いに迷った末に行くことに決めた。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

この温泉は湯の川温泉とは違う泉質で、
硫黄を含んだ力のある温泉だという。
もちろん完全掛け流しだ。

建物や湯舟は温泉侍好みの素朴なもので、
以前から気になっていた温泉でもある。

市電五稜郭公園前駅周辺にいた私は、
そこからタクシーに飛び乗り約10分
周囲は真っ暗闇でダート道を進むこのタクシーのヘッドランプだけが
寂しく積った白い雪を照らし出し雪国であることを再確認。

タクシー運転手『もうすぐ着きますよ。』
道路脇の深い側溝からはモクモクと湯気が立ち上っている。

どうやらその湯気は
西ききょう温泉の湯がその側溝に沿って流れ出しているのだろう。
白い雪原中、縦横に湯気のカーテンが掛けられた様な
幻想的な風景がそこにはあった。

周囲には目立つ建物もなく(見えなく)
原野の真中にポツンと現れた平屋の建物が『西ききょう温泉』だ。
地元の方の憩いの場的温泉地となっているらしく、
施設前には函館ナンバーの車がたくさん駐車されていた。

タクシー料金は2千円とちょっと、
都市化の進んだ函館市街地からわずかな距離で
このような幻想的な地域に出くわすのもさすがは北海道である。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

入口引き戸2枚を開けると右側に券売機がある。
入湯料金は銭湯より安い370円だ。
入湯券を左受付のおじさんに渡して
ロッカーの鍵をもらい奥へと進む。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

受付前には大きな部屋が一室設けられていて、
そこには足湯と歩行湯が楽しめる浅い湯舟が設置されていたが、
夜の10時を過ぎていたのか利用者は誰もいなかった。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

奥に進むと広い休憩所から手前が女湯、
突き当たりに男湯の入口だ。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

ここは24時までの営業なので
まだまだゆっくり湯浴みできそうです。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

ちょっと狭く細長い脱衣場だが、
横長の白い木製ロッカーが設置されていて、
昭和レトロな銭湯風で十分に雰囲気はある。

脱衣場には浴室から漂うわずかな硫黄の香りが広がっていて、
湯に浸かる前から期待で胸が一杯になる。
引き戸をガラリと開けると浴室は湯気で真っ白だ。

浴室には丸いコンクリート製土管を輪切りにした湯舟が3つあって、
それぞれ温度の違う湯が張られていた。
手前の湯が一番ぬるそうなのでそこから入湯です。

土管には無色透明に見える適温の湯が張られている。
ゆっくりと浸かるとさっぱりとした浴感だが、
先程の硫黄の香りとは打って変わって結構な金気臭を感じる。
硫黄臭も感じるが金気臭の強さに負けているようだった。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

飲んでみてもかなりの鉄味と炭酸味で有馬の湯を髣髴とされるが、
湯は透明でしばらく放置すると赤茶く変色するかもしれない。
湯舟をよく観察すると赤茶色の細かい湯の花も確認できた。

サッパリとした中にもしっかりとした引っかかるような泉質で、
酸性泉なのか土管のコンクリートがただれていて、
ザラザラとした感触が背中から感じ取れた。

ここには露天風呂があるようなので早速行ってみる。
屋外にも同じく土管の湯舟が3つあって、
右から適温の湯、激熱の湯、地下水風呂となっている。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】
(入湯者撮影承認済み)

氷点下となっている屋外ではその利用者も少なく
ほとんど貸し切り状態で入湯できる。

適温の湯の温度は実測46.4度で湯は内湯と同じだが、
硫黄の香りも程よく感じる秀逸なものとなり、
湯舟の中の給湯管からは熱い源泉が常に供給されていて、
湯舟からは惜しげもなく湯がオーバーフローしている。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

続いて中央の激熱湯に入ると、
実測温度なんと49.9度と湯の川温泉に負けないもので、
さすがの地元の方も水を注ぎ込んでいた。
少し浸かって飛び出て左端の地下水風呂へ飛び込んだ。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

地下水とはいってもわずかに硫黄の香り漂い、
滑らかな浴感さえ感じる実測29.1度の湯で
その水を飲んでみても硫黄の味とまろやかな温泉の味が感じ取れる。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

余談だが、
北大水産学部の研究者の方はこの地下水を利用して
オニテナガエビの飼育研究をしているそうな。

このエビは東南アジアの淡水に棲息し、
とても大きくなるエビで体長30センチを超えるという。
一見イセエビと見間違えそうである。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】
(露天風呂に広がる温泉の析出物と積雪)

外気温度が氷点下なので長くは浸かれないが、
火照った体を冷ませる適温の湯舟なのです。
京都周辺でこんな湯があれば間違いなく宝の湯となるでしょう。

天を見上げれば満天の星空で、
北斗七星などの星座もバッチリと確認できた。
激熱の湯と地下水風呂を交互に入湯すれば、
長時間の入湯も体に負担なく心地よく行なえる。
どこぞの湯治場のような温泉施設に感動さえ覚えた。

常連さんに話を聞かせてもらったが、
重症の腰痛が1ヶ月この温泉に通って完治したという。
まったく地元の方がうらやましい限りだ。

北海道 西ききょう温泉【温泉奉行所】

評価について、
弱酸性泉で硫黄と金気の香り漂う秀逸な温泉に
脱帽してしまった温泉サムライです。

温度の違う湯舟と
地下水と称する低温泉も特筆すべき泉質の湯舟で感動さえ覚える。
北の大地でまたひとつ
忘れがたき温泉地に巡り合えた感動に
今はどっぷりと浸っている最中だ。

文句なしの5つ星です。

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温泉の場所 西ききょう温泉の地図
西ききょう温泉の地図


コメント 雰囲気や泉質は最高レベル。函館一番と称されたオススメの温泉だ。
温泉の泉質

含硫黄−ナトリウム−塩化物泉(硫化水素型)(中性高張性高温泉)/源泉温度 61.0℃/pH6.4/湧出量180リットル毎分

適応性 神経痛・筋肉痛・腰痛・慢性消化器病・皮膚病・慢性冷え性・切り傷・やけど・糖尿病・動脈硬化症・五十肩・婦人病など
営業時間
年中無休
05:00〜24:00
料金
大人370円(年会費は不要でした)
小学生まで150円
入浴施設
男女別内湯に3つの湯舟 男女別露天風呂に3つの湯舟
備品等 鍵付きロッカー

連絡先

北海道函館市西桔梗町444−1 
TEL0138−49−7294

JR函館線五稜郭駅からタクシーで10分
お気に入り度
塩素消毒臭度  12345
公式HP
温泉情報
入湯日付 2009年2月23日


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