「つ、ついに発見したぞ!」
と思わず声に出してしまった。
雲仙にある小浜温泉は
日本一温度の高い温泉が湧出しているという有名な温泉地。
その小浜温泉街の南の端にあるのが『浜脇共同浴場』だ。
旧道沿いにあるコチラの共同浴場は「おたっしゃん湯」と呼ばれ
道中には温泉を示す案内板などなく、
周囲は民家に囲まれているのでアクセスには苦労する。
小さな看板1つのみ旧道沿いに掲げられてるのでお見逃しなく。

古い町並にひっそりと佇む浴舎ははっきり言って古くてボロいですが、
戦前に建てられたという歴史の刻まれた外観はどこか風格さえ感じられる。
向かって右側が男湯左側が女湯だ。
入口には昔ながらの番台があって
おばあさんが番台に座ってテレビを見ていた。
入湯料金150円を支払って靴を脱ぎ脱衣場へと進む。

どこかの古いお寺の本堂のような薄暗い脱衣場には
これまた古くさい戦前はあろうかという木製の脱衣箱。
あまりの古さに私の年齢では懐かしさも感じられない。
まさに文化財の域に達していた。

服を脱ぎ、湯の流れる音に吸い込まれるように浴室へ。
浴室はとても鄙びきっているが、モダンな色のタイルが湯舟に張られた異空間。
完全にかけ流された湯舟からは温泉のほんのり優しいアロマさえ感じられた。

湯舟が二つ並んでいて湯は同じ源泉だが、加水され温度差が付けられているようだ。
湯舟の底には優しい色のブルーとグリーンのタイルが貼られ、
同質の湯ではあるがこのタイルの色によって違うものと勘違いさせられる。

まずは手前の湯舟からゆっくり湯に浸かる。
エメラルドグリーンのタイル敷きで心が癒される湯舟は実測温度41.5度の適温の湯で、
食塩泉ながらしつこくなくさっぱりしたまさに絶品の湯が満たされている。

当然のことながら湯は完全にかけ流しで
無論滅菌のための塩素など微塵も感じられない。
湯舟の縁からはサワサワと湯が溢れ出て至極気持ちよい。
まさに至福のひと時、ここまで来た甲斐がありました。


となりの湯舟は底にコバルトブルーのタイルが張られ海のような湯舟は、
実測温度が43度と少し熱めの湯が張られ、
食塩泉のパンチが効いたとても身体が温まる湯舟だ。
短時間の入浴ながら体中から汗が噴き出してくる。

互いの湯舟の中央部分には源泉のパイプと水の蛇口が設けられていて、
竹を割ったトユを伝って湯舟に入ってくるが、
そんなファジーな湯の入れ方でしっかりと温度管理できている。
長年培った経験がこの温度差を生み出しているのだろうか。
試しに飲泉してみたところ
わずかな塩味でとてもまろやか。
お吸い物でも啜っているかのような味わいに感激してしまった。

評価について、

古い絵葉書にでも出てきそうな鄙びきった浴舎や
時間の流れが完全に止まったかのような浴室内の設備や調度品は
まさに温泉遺産の財宝的存在だ。

(浴室の天井)
味わい深い浴室や湯舟に溢れる良質の温泉を楽しみながら
ゆっくり湯浴みできたのはまさに温泉天国といえる存在だ。
文句なしの5つ星評価とします。

追記
周辺は小浜温泉街として賑わっているが、
温泉以外にも名物がある。
観光マップにも掲載されている『小浜ちゃんぽん』が有名だそうだ。

訪れたのは「蛇の目」というお寿司やさん。
お寿司以外に小浜ちゃんぽんもメニューに加え提供している。
名物の「小浜ちゃんぽん」を注文してみた。

スープは白濁していて博多ラーメンのような豚骨臭さはなくあっさり。
麺は太めでしっかりしている。
具には殻付の小海老と着色されたかまぼこが印象的だ。
「名物にうまいもんなし」といいますが、
コチラのちゃんぽん麺は関西圏にない味でざっくりとした味わい。
温泉と共に印象に残る逸品であった。
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