山空海温泉【温泉奉行所】
(さんくうかいおんせん)



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能勢の山奥に野趣溢れる温泉があるということで
オートバイ競技であるトライアル近畿選手権出場後、
疲れた体を癒しに訪れることにした。

山空海温泉【温泉奉行所】

毎年この温泉を訪ねて3年目の今年は、
絶対に訪湯するぞと心に決めカーナビを頼りに探索していると
道端に小さな看板を発見した。

その温泉の名称は『山空海温泉』
周辺は山と空はふんだんにあるんですが
海はまったく見当たらない山深い場所にあるけれど
何だか意味深なネーミングである。

山空海温泉【温泉奉行所】

府道から細い田んぼ道を車で進入するとすぐに駐車場がある。
浴舎へはそこで車を降りてここからは徒歩で進むこととなるのだ。
アヒルや鴨が浮かんでいる小さな川岸の歩道をしばらく進めば
小さな建物群が見えてきた。

山空海温泉【温泉奉行所】

コチラの施設では温泉以外にも湯治的な宿泊や軽食も可能だそうで、
その建物群はそういったことに利用されているという。

山空海温泉【温泉奉行所】

敷地内に入ると中型犬2匹とおばさんがお出迎え。
犬と戯れたおばさんを見ていると
『ハイジおばさん?』的なことを連想してしまった。

山空海温泉【温泉奉行所】

入湯料金は大人が700円はいいんですが、
駐車料金として別に100円徴収されるのだ。
小さな券売機でチケットを購入しそのチケットを
すぐ横にいてはるハイジおばさんさんに手渡すスタイルは
便利なようで便利でないような…。

山空海温泉【温泉奉行所】

『温泉は突き当たりの建物にありますよ』
ということで早速向います。

山空海温泉【温泉奉行所】

少し大きめの白い物置風浴舎は温泉風情を感じ取ることはできないが、
暖簾をくぐって中に入ると淡い硫黄の香りが仄かに漂ってきたではありませんか。
窮屈で手作り感タップリの脱衣場には有料100円ロッカーと脱衣かごが並べられ、
決してきれいとはいえない雑然とした空間だ。

日曜日の夕方とあってたくさんの入湯客で賑わう浴室へと向います。

山空海温泉【温泉奉行所】

浴室の引き戸をガラッと開ければ
硫黄の香り感じる湯気がモクモクと私の体を包み込む。
正面には畳みを縦に6枚分ほど並べたモルタル製湯舟が鎮座している。

その湯舟の中央には湯面の高さで仕切られ
左が42度の湯、右が36.7度の温めの湯が満たされている。
源泉は18度ぐらいということで加温されているが、
源泉を給湯器で44度に沸かした湯がそのままかけ流しで湯舟に注がれている。

まずは左側の湯舟の湯が注がれている場所を陣取って入湯です。
白濁したようにも見えるほぼ透明な湯は思ったほど硫黄の香りは控えめ。
若干のツルツル感をも感じる重曹系温泉は
硫黄の中にも重曹系の甘い香りも感じられる絶妙な浴感でうっとりしてしまう。

山空海温泉【温泉奉行所】

右の湯舟から中央の仕切りを越えて左の湯舟へと温泉の湯は流れてゆく。
身体も少し温まったところで右の湯舟へ移動します。
体温とほぼ同じの温度なので身体に優しく芯からあたためてくれる。

当然塩素滅菌することのない完全かけ流し温泉に首までドップリ浸かっていれば
短時間でもかなり身体が温まり少しのぼせ気味になってきた。
でも心配ご無用。

山空海温泉【温泉奉行所】

他にももうひとつ、
奥の隅っこにある小さなステンレス製湯舟は
17.5度の源泉かけ流し冷鉱泉が楽しめるのである。

一見すればタダの水風呂なのですが、これがスゴイ。
湯舟に浸かって蛇口をひねれば源泉が勢い良く出てきます。
しかも濃厚なタマゴ臭を強く感じさせてくれるため
一瞬ここが大阪府だということを忘却してしまった。

のぼせ気味の頭と身体は冷鉱泉で一気にクールダウン。
これならいくらでも浸かっていられると帰りの時間を忘れてのんびり。
『いい湯だな〜』

山空海温泉【温泉奉行所】

ゆっくりゆったりしていると辺りはすっかり日も落ちて
開放された窓からは山深さを感じさせる山の緑と府道を通過する車の音もなんだか寂しげだ。
至極幸せな時間がこの温泉にはゆったり流れているように感じられた。

山空海温泉【温泉奉行所】

帰り道、ハイジおばさんに話を伺うと、
券売機横にある蛇口の下に源泉井戸があって
深さは1000メートルというその井戸からは豊富な泉量があると言います。

源泉は1リットル10円で持ち帰りもできるという事で
みなさんポリタンクに詰めて持ち帰っていました。

春雨の降る川縁の道をトボトボと車まで帰るも身体からは汗が噴き出してきます。
3時間かけて帰宅するも手足はまだポカポカ。
次の日までもそのあたたかは継続していた。

山空海温泉【温泉奉行所】

評価について、
大阪府の北の端っこにある山空海温泉は山間にある隠れ家的湯治場温泉。
硫化水素が含まれているであろう源泉からは
嫌味のない硫黄の香り漂う秀逸な重曹泉。

冷鉱泉ながら3種類の泉温で提供された湯舟はいずれも極楽気分へと導いてくれた。
そうか、『山空海』の海はこの湯舟を意味しているのかもしれないなぁ。

ということで、
露天風呂はないが都会からのアクセスや泉質を勘案して
評価的に甘いかもしれないが5つ星の評価としてみました。

山空海温泉【温泉奉行所】

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温泉の場所 山空海温泉の地図【温泉奉行所】
山空海温泉の地図【温泉奉行所】


コメント 硫黄の香り漂う山空海温泉、鄙びた温泉はただものではない。
温泉の泉質

炭酸ナトリウム泉/泉温18℃前後か?/pH7.6

適応性 神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性消化器病、痔疾、きりきず、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病など
営業時間
4月〜10月 10:00 〜 19:00
11月〜3月 10:00 〜 18:00
日・祭日は8:00〜(祭日以外の月曜休み)
料金
大人700円
割引情報
入浴施設
男女別内湯各1、サウナなし
備品等 ドライヤー、100円有料カギ付ロッカー

連絡先

大阪府豊能郡能勢町下田尻801
TEL090−7887−0995
アクセス 公共機関:能勢電鉄山下駅からタクシーで15分
車:京都縦貫道 亀岡I.C.から約20分
駐車場 10台ぐらいか?駐車料金100円
お気に入り度
塩素消毒臭度  012345
公式HP なし
温泉情報
入湯日付 2011年3月20日(日)小雨


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