(しらはまおんせん さきのゆ)
温泉奉行所>和歌山県の温泉>白浜温泉 崎の湯 |
有馬温泉、道後温泉と並んで 日本三大古湯に数えられている和歌山県の白浜温泉は、 京阪神の奥座敷的な温泉地として有名で、 周辺はアドベンチャーワールドや白浜エネルギーランドなど テーマパーク的な施設を中心とする一大リゾート地を形成しています。 ![]() 白浜温泉の歴史を紐解くと、 古くは万葉集に『牟婁の湯』(むろのゆ)としてその名が登場するなど、 まさに正真正銘の深い歴史を持った温泉で、 記述によると658年斉明天皇と中大兄皇子が 今からご紹介する崎の湯に入湯していたというから驚きです。 江戸時代には時の紀州藩主だった徳川吉宗も入湯した折り紙つき。 私の所蔵する古い絵葉書からも当時の賑わいを垣間見ることができる。 そんな当時の人々の思いを胸に、 今読んでいただいているお奉行様にお伝えできるよう崎の湯へと向います。 海水浴場で有名な白良浜から南へ車で5分、 道端に湯けむり上げる四角い湯溜めが目に飛び込んできます。 しかもその湯けむりに混じり硫黄の香りが辺り一面に漂っているから 鼻の利く人ならそれが温泉であることはすぐに分かるはず。 海岸沿いに伸びる細い道をドン付まで進めば『崎の湯』へと到着です。 小さな岬の先端といったロケーションで海からの潮風も強くなびいていて 海面には白波が幾多の波紋を作り上げ太平洋の荒々しい光景が前面に広がります。 ![]() 以前は無料で開放していたと聞くコチラ崎の湯は、 今では町営の共同浴場として整備され、入湯料金400円を支払えば誰でも利用できます。 券売機で料金を支払いチケットを受付の方へと手渡します。 ![]() 海岸方向へ進むと岩で組まれた立派な公衆トイレを思わせる建物が脱衣場のようだ。 古い絵葉書で以前の浴舎を見たことがある。 瓦葺の古い寺院の様な重厚感漂う建屋で とても立派な浴舎であったということを知っている私は、 入湯前から落胆の意を隠せないでいる。 中に入ると粗末な下駄箱に鍵の壊れた脱衣箱が並べられた質素な空間。 無料の露天風呂によく見られるような脱衣場は決して清潔ではなく 私の様なラフな服装なら何も気にならないが いつもお洒落なオブギョウ様(あなた)においては 脱衣するのにも躊躇するかもしれませんね。 ![]() 服を脱いだらそのまま露天風呂へと進みます。 扉も何もない仕切りを出るとそこは一面太平洋の水平線が続く岬の御先。 夏の海は日差しの強さと海からの照り返しで目が明けられない。 一瞬露出オーバーとなって辺りは真っ白となるが、 しばらくすると奥行きのある細長い岩風呂が目に映し出されてきます。 湯船の向こうではザバーンザバーンと岩場で波が打ち付けられ白波とともに砕け散る。 ![]() 手前にあるのが元来からある自然の岩壺を利用した湯溜めで、 岩盤の上から源泉と思われる湯がかけ流され 湯船の深さも一定ではなく一部滝壺のように深く落ち込んだ場所もあって 飽きることのない温泉気分を味わえる。 ![]() 湯の温度は41度弱と温めの設定ですが、 夏の日差しが強烈に照りつける中での入浴は海水浴にでも来た気分。 温泉の泉質も食塩を基調とした成分なので海か温泉か分からなくなってきた。 ![]() よく見てくださいねコチラの湯船。 女性が裸で湯に浸かる古い絵葉書に写る湯船と現在の湯船は 岩の形状が全く同じことから長い歴史を持った湯船だということが分かると思う。 ![]() おまけに湯船周辺の岩場にはフナムシがたくさん生息し、 よく見ると湯船の中にも貝やカニまでもが一緒に入浴していて まさにワイルドな天然露天風呂となっている。 ![]() 海岸のすぐ近く、比較的最近?に造られたと思われる岩風呂は 湯船の深さも一定で温度もぬるくのんびり湯浴みできるが 日陰がないから長時間の入浴は全身日焼けしそうな勢いだ。 ![]() 手を差し伸べれば海水に手が届くほどに海があってまさに海水浴。 湯船を越えて海へ身体を沈めることもできるが波が強くて少し危険かな。 湯には硫黄の成分も含まれるが 海の潮の香りにかき消されるのかそんな硫黄の香りは微塵も感じられない。 よく温まる食塩泉で軟らかい肌触りという面では温泉を感じられる。 浴後のベタ付もなく海水浴後の入湯にはとても気持ちよいだろう。 ![]() 『駐車場にある温泉の案内板』 町指定文化財 史跡 崎の湯(湯壺) この崎の湯は、かつて湯崎七湯と言われた外湯の中で、 ただひとつ昔のままで残っている湯壺です。 これは、およそ東西に7m 南北に1.75mから3mで、 荒磯の先に自然に浸食されてできた大きな岩風呂です。 日本書紀や万葉集、続日本書紀などに「牟婁の温湯(むろのゆ)」・ 「紀の温湯(きのゆ)」の名で登場し、 飛鳥から奈良時代にかけて、斉明(さいめい)・天智(てんじ)・持統(じとう)・ 文武(もんむ)天皇が行幸(ぎょうこう)の折に沐浴(もくよく) されたと伝えられている歴史的名湯です。 ![]() 評価について、 源泉かけ流しで太平洋のすばらしい水平線を望む露天風呂ですが、 どこか温泉気分が萎えてしまう残念な温泉だ。 風景や温泉に関しては満点かもしれませんが、 私の中の思い込んでいる白浜温泉とはその情景が若干違うような気がすること、 白浜温泉の全貌を知らない温泉サムライは他の温泉に期待して 4つ星の評価とした。 白浜温泉において5つ星の満点評価できる温泉がまだ見えてこない。 必ずやあるであろう温泉情緒溢れた湯宿や浴室を見つけるまでは そう容易く(たやすく)満点は付けない温泉サムライでした。 白浜温泉周辺で宿をお探しの方、 宿に直接予約するよりもじゃらんや楽天を介してする方がお安く泊まれることが多いですよ。↓ 一度お試しあれm(_ _)m |
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温泉の場所 | ![]() |
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コメント | 太平洋の水平線をのぞむワイルドな露天風呂はフナムシとも仲良くなれる? |
温泉の泉質 |
源泉名:みゆき2号/ナトリウム-塩化物泉(中性高張性高温泉)/泉温86.0℃/pH7.4/動力揚湯60リットル毎分 |
適応性 | 創症および火症、皮膚掻痒症および角化症、リウマチ性疾患、運動器障害、慢性湿疹、虚弱児童、女性性器慢性炎症、卵巣機能不全症、子宮発育不全症および月経障害、更年期障害 |
営業時間 |
08:00〜18:00(4月1日〜6月30日・9月1日〜9月30日) 07:00〜19:00(7月1日〜8月31日) 08:00〜17:00(10月1日〜3月31日) 定休日:水曜日 |
料金 |
3歳以上400円 |
割引情報 | |
入浴施設 |
男女別露天風呂各1で湯舟が各2、サウナなし |
備品等 | タオル有料 |
連絡先 |
〒649-2200 和歌山県西牟婁郡白浜町湯崎1668 TEL 0739-42-3016 |
アクセス | 公共機関:
JRきのくに線白浜駅から明光バス・白浜湯崎温泉行で20分湯崎下車 自家用車:阪和自動車道南部ICから国道42号線で約20km |
駐車場 | あり、無料 |
お気に入り度 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
塩素消毒臭度 | 012345 |
公式HP | 白浜温泉崎の湯のHP |
温泉情報 | |
入湯日付 | 2012年8月7日(火)晴れ |
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